女王陛下のピチカート・ファイヴ( on Her Majesty's Request; Pizzicato Five )という、このアルバムのタイトルをきっかけに女王陛下のことを Her Majesty と英語表記することを知りました。先日、見た深夜映画『王様とアンナ』でジョディ・フォスター演じるアンナも His majesty (陛下) としきりにいっていました。
さてさて、このアルバムはテーマがはっきりしていて良いです。 Pizzicato Five はこうでなくっちゃ!と思えるアルバムです。下の写真はアルバムジャケットを見開いたものです。
ところで、前回の Bellissima! に比べて、このアルバムは曲数が多すぎです。曲のタイトルを書くのが大変
でも、すごく濃縮されていてお得なアルバムです。
- オードリィ・ヘプバーンの休日 - Holiday for Audrey H.
歌のないイントロの曲ですが、この曲でこのアルバムの雰囲気がわかります。このあとに発売された Pizzicato Five のアルバムにおいても 1 曲目が文字通りアルバムの Introduction になっているものが多い気がします。このアルバムがその先駆けなのでしょうか。
- 〜 イントロダクション “ジェームズ・ボンドとヴェトナム” - introduction "J.B. et Vietnam"
曲というか、もはや台詞ですけど、ちゃんとタイトルがあります。インドシナをイメージしているのか仏語です。
- 新ベリッシマ - Bellissima '90
ロックな曲です。ギターがロックな感じなだけなんですけど。固定電話のプッシュホンの音が時代を感じさせます。
- 恋のテレビジョン・エイジ - T.V.A.G.
私はこのアルバムのなかで、この曲がいちばん好きです。ギターのリズムとか曲のアレンジがすごく好きです。それと田島貴男さんの甘い歌声も素敵です。
- リップ・サーヴィス - Lip Service
この曲あたりから女王陛下な雰囲気になってきます。上品で甘いというか、そういう雰囲気です。
- 「女王陛下のエロチカ大作戦」からの抜粋 - excerpt from the music for film "EROTICA Operation"
~ a. ナイロビの女王陛下 - the African Queen
英国の女王陛下ではないの?と肩透かしをくらった感じですが、たしかにナイロビっぽい(?)雰囲気の曲です。 私は、 Pizzicato Five の曲の楽しみ方のひとつとして雰囲気を楽しむという聴き方をしていますので、ナイロビが実際にどういう雰囲気なのかはまったく知らないのですが、きっとナイロビっぽいのだろうな、と勝手に想像して楽しんでいます。
- ~ b. スパイ対スパイ - SPY vs SPY
出だしの A’(エイ ダッシュ)は長い髪の影から~ という歌詞に登場する人物 A' というのがこの曲の主人公なのですが、すごく匿名な感じでスパイっぽくて好きです。 A じゃなくて A' だなんて、はじめて歌詞を見たとき天才だと思いました。
- ~ c. スウェーデン娘 - Swedish Girl
スパイ映画にはやっぱりスウェーデン娘なのでしょうか。金髪と青い瞳、やっぱりスウェーデン娘なのでしょう。曲自体は物憂げで気だるい感じです。誰かの付き添いで来たカジノで退屈しながらテーブルゲームをしている美女をイメージさせる曲です。
- ~ d. 自白剤 - "I confess"
この曲は何気に演奏がすばらしいです。耳をすまして聴き入ってしまいます。
- ~ e. 陽動作戦 - Feint Operation
TVゲームの戦闘シーンのような曲です。陽動作戦、ですね。
- トップ・シークレット(最高機密) - Top Secrets
出だしの田島貴男さんの パラッ パッ パッ パー がことさらに甘いです。こんな優しい声で歌うなんてずるいです。このずるさがこの曲をいちばん女王陛下の秘密諜報員のイメージに合う曲にしているのだと思います。
- バナナの皮 - Bananas
この曲で女王陛下はいったんご休憩する感じです。
- トップ40 - Top 40
ご休憩中、女王陛下は別のことに興味が移られた感じの曲です。
- ホームシック・ブルース - Homesick Blues
タイトルとは異なり、明るい曲です。
- 衛星中継 - Satellite Hour
イヤホンで聴いていると、耳がくすぐったくなるような曲です。なぜだか理由はまったくわかりませんが、まるで矢野顕子さんの曲をカバーした曲であるかのような錯覚に陥ります。なぜでしょうか、不思議です。
- 遠い天国 - You'll never get to heaven
さて、女王陛下が休憩からお戻りになったようです、という感じのインスト曲です。
- 女王陛下よ永遠なれ - God Save the Queen
万が一、身分不相応にも女王陛下に恋してしまったときに聴くべき曲ですね。いえ、思わず女王陛下に恋したくなってしまう曲でしょうか。いずれにしても上品で情熱的な曲です。
- 夜をぶっとばせ - Let's spend the night together
女王陛下の夢から醒ましてくれる爽快な曲です。 君を愛してるのに 理由(わけ)もなく 気分はどこかブルー だから、この街を走り抜けてスカッとしようよという主旨の曲です。なんとなく、わかる気がします。
- ゴーゴー女王陛下 - Her Majesty au Go-Go
この曲は最後まで聴きましょう。昔、真夜中にシーンと静まり返った部屋で聴いたときは、ちょっと怖かったです。
今、このアルバムを買うと、 BY HER MAJESTY'S REQUEST というジャケット表記になっているようですが、私が持っているアルバムジャケットには、 ON HER MAJESTY'S REQUEST と書かれています。映画『女王陛下の007』の原題が『On Her Majesty’s Secret Service』だから ON という表記になっていたのだと思いますが、おそらく文法的には BY にしないといけないのでしょうね。
揚げ足を取ることになってしまいますが、発見した誤字脱字を少々。曲のインデックス欄で、15曲目の衛星中継の英題がSateliteとなっていて、「l (エルの小文字)」がひとつ足りないです。一方、このアルバムの次にリリースされた月面軟着陸では、Satellite という正しい綴りで表記されています。(左側の画像が女王陛下のピチカート・ファイヴ、右側が月面軟着陸)
最後にアルバムアートワークを少々。
実は、女王陛下の007をまだ見たことがないので、機会を見つけて見てみようと思います。(そう思いながら何年もずっと見てません)
最近のコメント