2011年12月6日(火)に Google 日本法人本社(東京六本木)にて開催された Google 社主宰の Google+ Meetup に参加してきました。私も参加中に知ったのですが今回の Meetup は大まかに言えばミーティング形式のイベントであり平たく言えば座談会ですね。
私は Google+ をオープン当初の今年7月から利用していて、職業柄、どちらかというとプロダクトマネージャー視点で Google+ を見てきました。また、プロダクトはモノなのですがそれをつくるヒトがいてこそですので Google+ の製品チームや他の Google 社員の方たちの動向にも注目していました。そういう意味で今回 Google+ Meetup に参加して Google 社の Vice Presidentであり Google+ の Product Management を担当されている Bradley Horowitz さんに会えたことは願ってもないことでした。
非常に気軽な気持ちで参加をしてはいるのですが、参加目的のひとつに Google 社での製品開発の様子を知りたいというのがありましたので、ここではその目的に沿ってレポートしたいと思います。
また Meetup に参加されていた大学生の Aya Sakaguchi さんが今月から就活開始とのことを伺い、今はそういう時期なのだと認識しました。就活してても商品/製品の企画開発や管理のお仕事内容はわかりづらいかと思いますので、就活される方が参考になればと思ってこの記事を書いてみます。ただし、 Google 社をサンプルにして現場を推測した内容のブログ記事であり、 Google 社の社風や仕事の仕方の事実を説明しているものではありませんので、ご注意くださいませ。
それと、私自身この手のミーティング形式のイベントには参加したことがなく、ミーティング形式イベントのマナーを知らないため、ここに書いている内容は Google+ Meetup 特有のものでなくイベントというものに共通的な事柄かもしれません^^;
業務範囲のあり方 (招待 ~ Meetup 当日)
私含め数名の Google+ エンドユーザーは Google 社の Takashi Matsuo さんから Google+ 上で招待されています。Matsuo さんは Google+ オープン当初から Google+ 内で目立った存在であり Google+ の利用のヒントなども積極的に情報発信されています。しかし Matsuo さんは Google+ の製品担当ではなく Developer Advocate という開発者支援を担当されている方なんですよね。なので同日に本来の業務で出張されていたようで Google+ Meetup には参加していませんでした。
Google+ のイベントに不在というのはジョブポジションやミッションが違うので当然ですよね。特に外資系企業なら至極当たり前です。しかし、最初の私たちの招待のやり取りとか当日の案内とか Matsuo さんが途中まではされていました。 Google 日本法人本社に Google+ の製品担当者がいるのにです。私だったら「それは私の仕事じゃないですし、イベントを成功させるために参加者に確実にお越しいただく責任を負うことなんてできません」と伝えて招待&案内役を断る可能性大ですw その点、 Matsuo さんのご対応を見て Google 社は担当製品や業務が異なっていても互いに助け合うという文化を持っていて実践されているなぁと感心しました。風通しが良さそうですし担当外の製品にも首を突っ込めるという、好奇心旺盛な人であればたまらない環境や仲間との関係がありそうです。
会議の準備とはかくあるべし (会場での Meetup 準備)
当日いよいよ Google 日本法人本社のオフィスに到着し、ミーティングルームにご案内いただきました。そしてBradley さんが登場する前に Meetup の主旨、進行、注意事項について 2回ほど説明がありました。
- ひとり 2分ほどで簡単な自己紹介、 Google+ の使い方、良いところ、改善点を述べる
- 参加者全員から意見を聞きたいので、 2分を超過したらタイムキーパー的にアラートする
- 英語→日本語、日本語→英語の通訳の方 2名を配置し、 1名のシリアルな通訳ではなくパラレル通訳にして時間のタイムロスを減らす
- 時間が短くて意見が十分に言えなかった場合は専用の意見フォームの Google Docs を用意しているので後でそこに記入してほしい
この用意周到かつ徹底ぶり。 Google 社内では Google+ Meetup というイベントに明確に目的やゴールが設定されていて、それを達成するために何が必要かが考え抜かれているように感じました。通訳の方の予算を2倍にしてパラレル同時進行って本気過ぎw
そんな Meetup でのメインの目的やゴールは何なのでしょうか。プロダクトマネージャー業務の一環だとしたら、製品ロードマップや個々の開発アイテム、重要課題などの策定に対して有益なインプット情報を得ることではないかと想像します。時期的には来月 2012年 1月から新しい会計年度になり、さすがに 2012年のプラン自体は既にできあがっているでしょうが Bradley さんがプランのレビューをする際の参考情報を得るタイミングとしては今がちょうどいいかと思います。というのは、あくまで推測ですが、とにかく Google 社の社員のみなさまの本気具合が最初から伝わってきました。
また、段取りの説明のなかで参加者のひとり Takako Kansai さんが、途中退席する可能性があるので意見を言う順番を先にしてほしい、とリクエストされました。はい、参加者のみなさまも本気でしたw
その後、 Bradley さんが登場して挨拶のスピーチをして和やかに会が始まったのですが、途中で Bradley さんが「ちょっと待って、誰か議事録とってるよね!?」と確認しました。もう完全に会議ですね。しかも会議主催者だけでなく参加者も本気の会議です。
本気の会議は有意義 (Meetup中)
そんなこんなで Meetup は進行していきました。本気といっても終始なごやかで意見を話しやすい雰囲気でした。そういう場の空気の作り方がすごいなぁと思って要因を探ってはみたもののよくわかりませんでした。ひとつ要因かもしれないのは、 Bradley さん含め Google 社員のみなさまがずっとニコニコしていて笑顔だったことでしょうか。笑顔って大事!
中身はというと、本気の会議モードではじまったせいか、これでもかというくらい建設的なフィードバックがされていました。単に不満や文句ではなく、こういう目的の場合、こうしたらもっと良くなる、という発言がひたすら続く感じで、どれもお給料がもらえるのではないかと思うくらいの品質でした。一般的にこの手のミーティング形式のイベントというのはそういうものなのでしょうか?とにかく普段仕事をしていてお目にかかれない有意義な濃い会議でした。私もいちおうフィードバック内容をメモして臨んだのですが、もっときちんと目的意識をもったフィードバックにしてストーリーも準備しておけばよかったと思いました。
というわけで、明確なアウトプットが期待されているかのような印象を受けるミーティングでした。きっと大成功だったのではないでしょうか。私も非常に勉強になりました。ありがとうございました。
Bradley さん、 Google+ チームの印象 (Meetup を終えて)
そしてミーティングを終えての Bradley さんの印象ですが、 Google+ の機能、使われ方、課題について上流、下流に関わらず大変よくご存知だったという印象です。おそらく製品予算とか経営会議とか大枠での意思決定以外に、チーム内での機能追加会議、バグ修正の優先順位を設定する会議、リリース判定会議など現場の意思決定の場に積極的に参加して日頃から状況把握をされているように見受けられました。
製品担当者なので一見して状況把握は当たり前のように思いますが、 Google クラスの大企業だと組織が階層化して上層と下層で扱う情報や意思決定範囲が異なり、システマチックな分業をして効率的な組織運営をするというイメージがあります。しかし Bradley さんは分業の一層を単に担っているという感じではありませんでした。きっと Google+ チーム内で密にコミュニケーションを取ってフラットなチームづくりや運営をされているのでしょう。
さらに、チームが比較的小さいのではないかとも思います。チームというか特に製品企画部門がです。ものすごい勢いで機能追加や不具合修正はされていますが、 Google+ において追加機能リリースのアナウンスがなかったり、プロフィールポリシー掲載のアナウンスがひっそり行われているなどサービス運営が十分とはいえないと感じることがときどきあります。
とはいえ Google+ はまだ開始から半年ほどのサービスであり、まだ様子見フェーズかもしれず、十分な予算(バジェット)、体制が形成されてなくても不思議ではありません。仮に予算が十分に割り当てられていても隣のチームから人員の貸し借りができるわけでもなく必要人員はハイアリング( Hiring )してチームを強化していくのが基本です。そのため体制構築に時間が掛かっているのかもしれません。
ですから今のところ Bradley さんは Google+ を広範囲に見れる状態にある一方で、 Google+ チームとして思い通りに運営できうる状態でもないのかなあと感じました。
以上、部外者にも関わらず組織やご担当者のことについて邪推してホントにすみませんm(_ _)m
さいごに
Google+ はまだまだ発展途上という印象でありモノ、ヒトともに今後の発展の余地が多分に残されているプロダクトだと思います。これまでも短いサイクルで少しずつ機能追加や不具合修正がされてきているので、今後もそのようにして少しずつ改善されアメーバのように Google の他サービスを取り込んで発展、変化していくのでしょう。そして少しずつ成長していることを感じられる点が Google+ のプロダクトとしての魅力であり、私にとっては非常に興味深く利用させていただいているところです。これからも Google+ から目が離せません!
そしてこのたびは貴重な機会をいただきありがとうございました
追記:2011/12/08
Meetupから2日後の12月8日にAKB48がGoogle社と提携しました。Bradleyさんも発表会に登壇されていました。下の画像はYouTubeで配信された発表会の様子です。左から、高城亜樹さん、高橋みなみさん、秋元康プロデューサー、Bradleyさん、前田敦子さん、篠田麻里子さん、指原莉乃さん。(リンク先はいずれもGoogle+のプロフィール)
via ITmedia ねとらぼ
前述のとおり企画部門のチームが小さいなんて勝手な想像で書いてたのに、まったくそんなことない感じですね。いや~、お恥ずかしいです
Google+の良さは気軽に海外のユーザーとつながりを持てることなので、AKB48としては海外のファンにより近いところで活動できますし、ファンも嬉しいのではないでしょうか。まったくもって Google+ から目が離せません
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